マンガ日記

Banana fish (11) (小学館文庫)

以前から少しずつ買い集めていた漫画です。今日やっと全巻そろったよ。
いや、なんというか…凄い漫画です。少女漫画誌に連載されていた作品なのですが、ハードボイルドな描写がとにかく凄い。理にかなった戦術とド派手な戦闘シーンなどの動的要素もさることながら、黒幕達による陰謀劇の静的な様相も手抜きがありません。しかし登場人物は非常に繊細な線で描かれており、キャラクターの設定、感情の描写もとても深く練りこまれたものになっています。また、同性愛的描写がかなり強いですが、プラトニックな愛情と肉欲的な欲情とが対比されて描かれていてとても深いものになっています。
設定や状況はものすごくハードなのですが、絵が扇情的すぎたり過激すぎたりすることがなくすんなりと読めるのもポイントかも。
暴力性と繊細な美しさ、儚さが同居している、そんな作品。間違いなく名作です。おすすめ。