漫画

YASHA (1) (小学館文庫)

男性読者にもファンの多い少女漫画BANANA FISHの作者、吉田秋生の長編です。文庫版だと6巻完結。
プラトニックな同性愛と愛憎劇、そしてバイオレンス。これらが非常にシャープで美しい絵で描かれています。同性愛を扱っていながら全くいやらしさとかを感じさせない（感情表現があまりに巧みすぎて）のがこの人の凄いところ。
ここまではBANANA FISHと同じですが、今作ではクローン人間、遺伝子操作など、現代的な問題もとりこまれ、また、『双子』というモチーフを主眼におくことによってより重厚な物語が構築されています。
そしてなんといっても、これだけ練られたプロットの中でのキャラクター達の感情の動きが凄すぎる。心情描写でストーリーを作らせたらこの人の右に出る漫画家はいないでしょう。少なくとも私の知っている限りでは。
とにかくオススメです。最初の方はちょっとだれますが、2巻半ばくらいまでくると急激に面白くなってくるので（文庫版の場合）。BANANA FISHに登場したキャラが顔を出したりもして、前作ファンにもたまらない作りになっています。読め〜