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(D&D3.5e)二刀流ファンタジスタ〜その2

さて、前回、二刀流はロマンであると書いた。だが、そればかりではない。もちろん、二刀流を選ぶことによって得られる利益はあるのだ。
それは、攻撃回数の増加である。単発の威力は両手持ちに敵わなくても、数を当てることで威力を発揮したり、両手持ちに威力で勝るような運用の方法を今回は考えてみる。
まず、一番先に思いつくのは、ローグの急所攻撃との併用だろう。全力攻撃のダメージ全てにローグの急所攻撃ダメージが乗れば、その威力は絶大である。プレイヤーズ・ハンドブックのサンプルキャラ構成には二刀流ローグは載っていない。

  • 1レベル……《二刀流》
  • 3レベル……《武器の妙技》
  • 6レベル……何か
  • 9レベル……《二刀流強化》
  • 12レベル……何か
  • 15レベル……《上級二刀流》
  • 18レベル……何か

基本はこんな感じ。ってか誰でも思いつくよな、この程度。
《武器の妙技》をとっているのは、大抵ローグは【筋力】にあまり高い値を回せないからである。また、どうせダメージソースは急所攻撃の追加ダメージであるし、ACを上げるために限界まで上げた【敏捷力】を活かすためにも便利である。
全力攻撃時の攻撃回数は、1レベルで2回、8レベルで3回、9レベルで4回、15レベルで6回、となる。敵を挟撃していたり、グレーター・インヴィジビリティの影響下にあれば、これらの攻撃全てに急所攻撃のダメージが乗るのである。
マルチクラスしないローグで行く場合、特技の残りを何で埋めていくか、という話になる。残りが3つしかとれないことを思うと《武器熟練》はちょっと効率が悪いだろう。安全に敵の背後に回るための《回避》《強行突破》も欲しいことは欲しいが、〈軽業〉のランクが高ければそれで大丈夫という気もする。
《攻防一体》《攻防一体強化》はローグの基本攻撃ボーナスの低さを考えると余りいい選択では無いような気もするが、ローグは想像以上に近接攻撃に弱いので、考慮に値するとは思う。攻撃回数を増やせば自動命中の確率も上がるし、一発でも当たれば、そのダメージは非常に大きなものとなるからだ。
挟撃で全力攻撃をする場合は、《煩わしき挟撃者》*1も便利だが、前提条件に《迎え討ち》が必要なので、ちょっと厳しい。

この構成の難点として、ローグの必須特技の1つである《イニシアチブ強化》が取り辛い、という点がある。イニシアチブをとれば立ちすくみ状態の相手に一撃をかますことが出来るのは当然として、挟撃時にいいポジションを奪いやすくなる、という点も見逃せない。人間であればボーナス特技で1レベル時にとってしまえるのだが……。

今回は割りと実用性にスポットを当てているので、ダメージ効率、命中率に関しても考察してみたい。
さて、ローグ、ないしローグをクラス構成に混ぜたクラスは、基本攻撃ボーナスが下がるため、命中率が低くなる。ローグを1レベル混ぜただけでも−1されてしまうので、二刀流のペナルティと合わせて−3も命中が低下することになる。さて、これはダメージ効率がいいと言えるかどうか?
二刀流キャラの話をしているのに比較対象に挙げるのもどうかと思うが、両手武器を装備したキャラクターは、《強打》を用いて攻撃ロールに−1するごとに+2のダメージボーナスを得ることができる。このキャラクターが攻撃ロールを−3すれば、ダメージは+6されることになる。さて、ローグを1レベルだけ混ぜた二刀流キャラの場合はどうか。
この場合、前述のように命中は−3まで下がるが、片手につき+1d6ずつ、つまり、片手あたり+3.5のダメージボーナスがつくことになる。一回の全力攻撃に関して言えば、合計で命中を−3することでダメージが+7される計算になるので、《強打》と比べてダメージ効率はいいと言える*2
ローグを3レベルまで混ぜると、急所攻撃の追加ダメージは+2d6になる。このとき、まだ基本攻撃ボーナスは戦士系キャラに比べて−1しかされてないので、上記の計算でいくと、ダメージ効率は−3ペナルティあたり+7ずつ、合計で+14である。これは《強打》 の場合に比べて非常に効率がよいように思える。二刀流ローグの主な武器がショートソードで、両手持ちキャラのグレートソードよりダメージが1d6低いことを計算に入れても、期待値で+4.5の優位があると言える。ただ、両手持ちキャラは筋力に高い値を割り振っていることが多いので、これくらいの優位はすぐに飛んでしまうだろうが……。*3
さらにローグを5レベルまで混ぜると追加ダメージは+3d6になるが、ここまでやると基本攻撃ボーナスがさらに−1されてしまう。ダメージ効率は命中−4に対し、ダメージ+21。確かに命中のマイナスに比べてダメージの期待値は上がっていくが、当たらなければどうということはないので、なんとも言えないかもしれない。そもそも基本攻撃ボーナスが下がると攻撃回数が減るということを計算していないし。この辺は敵の硬さや、キャラクターの位置付け*4によって変わってくると思う。まあ、ローグは基本的には技能職だし、急所攻撃は効かない敵も多いのでいいか。……やっぱ前衛スニークは厳しいですね。ブラックガードとかローニンとか「恥知らずな」ドレッド・パイレートなら行けるけど。

さて、もう一度述べるが、二刀流キャラは攻撃回数が増える。そのため、魔法の武器のボーナスや、特殊能力の恩恵を多く受けることができる。+1武器を両手に装備すれば、+1武器を両手持ちした場合よりダメージは1点大きいことになるし、強化ボーナスが増えればそれだけ効果も大きくなる。フレイミングなどの追加ダメージを与える特殊能力は、急所攻撃と同様の効果をもたらすので強力である。個人的に非常に効果的だと思うのは、前にデルウィーシュの所で書いたが、ウーンディング能力のついた武器である。命中する度に問答無用で【耐】を1削るという効果なのだが、これを二刀流スタイルでザクザクやるとガリガリ耐久力を削ることができる。まあ、急所攻撃と同様にアンデッドや人造やエレメンタルには効かないわけだが、1ラウンドに【耐】を2点とか4点とか削るのは相当相手にプレッシャーをかけるはずである。当然ながら、敵のHDが大きければ大きい程効果もでかい。
……難点は、両手に高価な魔法の武器を装備するには、両手持ちの2倍のコストがかかるという点なのだが……。+1ウーンディングを両手に持つと36600gpものコストがかかるわけで。

二刀流全般の話はこんなところで終わりにしようと思う。というか、特技数が圧迫される関係でキャラ設計をあまり広げられない。前に言ったので、サムライとかドレッド・パイレート*5の記事も書こうとは思うけど、まあ今回はこんなところでオチにしておきます。……っていうか、殆ど急所攻撃の話だったなあ。



まあ、二刀流キャラはデルウィーシュ最強ですわ。スーフィズム最強。ぐるぐる。

*1:プレイヤーズハンドブック2記載の追加特技

*2:急所攻撃の機会が少ないとか効かない敵がいるとか問題点は大量にあるのだが

*3:筋力10と筋力16で比較すると差は0.5しか無い

*4:前線張るか、それとも2番手に甘んじるか

*5:ロマンの塊な上級クラス。海賊王ですよ海賊王!